温もりと冷たさと

冬の終わりの防波堤| Copyright (C) Kazuo Yamamoto

先週末、暖かい友人と札幌で飲みました。
日中暖かかった空も、夕方からキンキンに冷え始め、
僕らが店を出た頃は、驚くほどの寒さで…
それでもとても楽しかったので、
体の芯はぽっかぽっかなのでした。

翌日は雪が積もり、防波堤は初雪の頃に戻ったようで、
海風が何度も吹きつけていたのです。

その夕方、日テレの『バンキシャ!』を見ました
虐待して次男を死亡させたとされる父親が、
公園で長男を蹴ったり殴ったりしている姿が、
数年前の取材の映像で、画面に映されていました。
「痛い痛い」と叫ぶ4歳の子供を見て、
涙が止まらず、いつの間にか拳を握っていて、
その親父を、ブラウン管を、
殴りたい衝動に駆られたのでした。
せめて母親が防波堤になってくれていたら。

取材スタッフ、異変に気付いた近所の人達、
児童相談所、行政、その加害者の両親。
何人もの大人が関わって、2歳の子供を救えやしない。

その子供達は痛かったろうな。
体よりも心が、とっても痛かったろうな。

「弱い者達が夕暮れ さらに弱い者をたたく
その音が響きわたれば ブルースは加速していく…」
とブルーハーツが歌ってる『TRAIN-TRAIN』

『ヨイトマケの唄』のように、
子供の為なら、どんな事だって我慢する母親も、
星の数ほどいてくれる。

温もりと冷たさと、愛する者に必要なものは何かを、
考えられなくなったら、終めえだなと思った日でした。

撮影地:小樽市銭函2丁目
Copyright (C) Kazuo Yamamoto