JR小樽駅
小樽駅に到着し、列車から降りたら、ホームの階段を下りて改札口から外に出るでしょう。このとき、地上のホームから階段を下りて地下に入ったはずの自分が、なぜかまた地上にいることに気づくと、ちょっと奇妙な感覚に包まれるはずです。
小樽駅のこの不思議な構造は、小樽の地形環境に由来します。つまり、駅舎が傾斜地に建設されていることによります。
東京から小樽を訪れた人は、小樽駅の正面がJR上野駅に似ていることに気づくかもしれません。実際、どちらの建物も同じ建築家の設計によるものだそうです。小樽駅の駅舎は、2006年に国の有形文化財にも登録されています。
小樽駅の歴史は古く、その開設は明治36年6月にさかのぼります。小樽駅の駅長室には、歴代駅長の名前を記した木札が掲げられており、その歴史を物語っています。この中には、名誉駅長として石原まき子氏 (石原裕次郎の妻) の名前もあります (写真左下)。ちなみに、初代駅長、山本千三郎氏の妻は石川啄木の姉だそうです。
※取材の際、小樽駅長のご厚意で駅長室を見学させていただきました。上の写真はそのときに撮影したものです。
上野駅にはない小樽駅の特徴の1つとして、改札口の上にあるガラス窓を飾る何十個ものランプがあります。夜になると、このランプが大きな窓を暖かく照らし、ひとつひとつのランプが発する やさしい光は、旅人たちの心をなごませてくれます。4番ホームに足を運べば、このランプの光を間近に眺めることもできます。
鉄道で小樽を訪れる旅人にとって、小樽駅は旅の思い出の出発点です。
※この記事は2007年6月15日に掲載された記事の更新版です。
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