あこがれ

晴天の南防波堤

平日の午後4時過ぎ。南防波堤基部の駐車場に車を入れる。
防波堤の中位の位置に一人、突端付近に一人、竿を出している人の姿が見える。

天気は穏やかで波もほとんどない。
海の空気と風を感じながら歩いていく。
投げ釣りをしている老紳士の近くにたどり着く。

「こんにちは。」
「こんにちは。」

「何が釣れるんですか?」
「釣れないよ(笑)今日は2時くらいから来てるけど全然ダメだ。こんなちっちゃいカタクチイワシとかな。こんなの昔は北海道で釣れる魚じゃなかったんだけどね。ははは、別に何でもいいのさ。家でテレビとか観てるより、こうやって出てくれば気持ちいいし、健康にもいいし。」

今日のように天気が良い日はここに居るだけで本当に気持ちがいい。
将来、もし自分も無事リタイヤできたなら、この人のようになりたいとしみじみ思った。

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