思い出のチカフライ

埋め立て工事が行われる前、周囲は草ぼうぼうで悪臭を放っていたころの運河だ。水面には油が浮いていた。

釣りといっても、竿も仕掛けもすべて父が用意してくれて、自分はエサを針につけて水中にたらすだけ。それでも釣れるときは良型のチカが結構釣れて、竹編みの「びく」がいっぱいになることもあった。

臭い運河で釣ったチカを食べることには抵抗があったが、父は「ライポンで洗えば大丈夫だ」と言って、釣ってきたチカを(ライポンFではなく)台所のママレモンで洗い、よくすすいだ後、フライにしてくれた。

おっかなびっくり食べたチカフライの味がよみがえる。
最高に美味かった。

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