クラゲ来襲
2日後。この日は4時半から5時少し過ぎまで。
天気はくもり、少し風がある。かなり寒い。手袋なしの手は結構つらい。潮が満ちているのか、海面が高い感じがした。外海は大きなうねりのような波。ずっと見ていると酔いそうだ。
防波堤入り口の浅いところにおびただしい数のクラゲを発見。このクラゲはその後どこへ行ったのだろうか。やはり誰かが処理しているのか、それとも自然に溶けて消えていくのか?
防波堤に上って外海を見ると、海面にきらきらと銀色の光がうごめいていた。イワシか何かの群れのようだ。気づくと岸壁付近にカモメが集まっていた。ごちそうタイムらしい。
いつもの場所でスタート。開始間もなく小さいアブラコ。12cmくらいか。今回は針から外す前の状態で写真を撮ってみたが、暴れ動くのでどうしても魚がブレてしまう。撮影後、初めてリリースしてみる。
その後、ぱったりアタリが出なくなった。暗くなってきて、さっきのリリースを後悔しはじめたとき、竿先が動いた。一呼吸置いて引き上げるとガヤだった。15cmくらい。
釣った魚はいつもならそのままビニール袋に入れておくのだけれど、この日は用意してきた果物ナイフで目の斜め後ろをザクリとやってみた。一瞬、目がギョロリとむいて体を反り返した後、すぐに動かなくなった。目は僕を睨みつけているようだった。手を合わせながら、無駄なくいただくので許してください、と心の中でつぶやいた。
その後、帰るまでの短い間だが、バケツに入れた海水につけておいた。血抜きになるか?
家に帰って魚をさばいてみると、いつもは中骨のエラ付近の下部に見られた血の塊のようなものが見当たらず、きれいなことに気づいた。すぐに締めて血抜きしたからだろうか?
いつも魚の処理に使っている包丁の切れ味が落ちてきて、魚の腹をすぱっと切れない。無理に切ろうとしていて、ガヤの背びれの棘が指に刺さって血が出てきた。
「いてぇ!」
中骨の血は見ずに済んだが、自分の血を見る羽目になった。
この魚も自分も血の色は同じ赤だな、なんて思ってみたりした。