Photographer (写真びと)。 北海道小樽市銭函在住。
もう誰も住人はいない。 今は亡き爺さんの友人で、いつもガキだった俺を見ては、 「お前、なんか悪いことしてるべ?」と覗き込むように言われた。 なまら怖かったので、苦手だったけれども、 大人になって思う。 そうやって子供をしかる近所の親父も居なくなったのと…
かつての通学路に銭函の雪あかりが灯っていた。 それは目立つでもなく、謙虚に灯っていた。
かつてはここに乳児院があった。 親から虐待を受けたり、育児放棄されたり、 なんらかの哀しい理由があって預けられた、 そんな乳飲み子達が懸命に育てられていた場所。 恵まれない子供達がそこで大切に育てられた。 人はやさしくて、残酷でもある。
重い雪だった。 昨日から降り積もった雪で、 今日は老若男女が揃って除雪をしていた。 コンビニへ行こうとしたら、 『銭函海岸通』のバス停が雪に埋まってた。
札幌へ車で行こうと思った。 暴風雪波浪警報が出ていた。
この時期には珍しく、蒼い凪が広がっていた。 ふわーっと香ってくる潮の匂いと、 吹き上がる海の風に、また癒される。 厳しい寒さも、有りだ。
小樽の札幌との境目、 工場の廃土に雪が積もった状態。 なんとなくオーストラリアのエアーズロックに見えた。
春ではない。初雪の頃でもない。 今朝の海、もはや寒すぎて雪が積もらないのだ。 降った雪はたちまち海風に運ばれ、 どこかの吹き溜まりへ・・・
この海鳥は、何を考えているのだろう。 晩飯のことかな、嫁か旦那のことかな。
生意気にカメラ目線ときやがった。 よし、分かったと、パチリ。
ちょっと気温が緩んで、 海岸に出かけた時、 何層にも重なった雪と、 幾度となく押し寄せる波があった。