linkbait のブログ

翌週末

築港臨海公園近くの岸壁で釣れたアジ

次の土曜日、週末の用事をあれこれ片付け終わると夕方の4時半を過ぎていた。かなり肌寒かったが、風はなく、海も穏やかだったので、家から近い築港臨海公園横の岸壁に行ってみることにした。

いつもは、常連さんらしい、いかにもベテランという感じの人たちが釣りをしている姿をよく目にしていたが、なぜかこの日は誰もいなかった。こういうときに、はたして自分のような者が突然現れて釣り糸を垂らしていいものかどうか、ちょっと迷ったが、釣りをしたい欲求を抑えられない僕は、びくびくしながらも、持っている唯一の道具を出し、知っている唯一の釣り方で、釣りを始めた。

開始5分、ぐぐぐんと竿の先が動き、前回のチカのときよりずっと強い振動が手に伝わった。

「な、なんだ!?」

竿を上げてみると、チカとは違う何かの魚が釣れていた。もう薄暗くなってきて、どんな魚かよく見えない。というか、見えたとしても、無知な自分には何の魚だかわからないのだが。とにかく、10cmを超える、僕にとっては「過去最大の大物」が釣れたのだった。

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市場魚貝類図鑑

その後、1時間ほど粘ったが結局一匹も釣れず、日も落ちてきて暗くなり始めたので、この日はあきらめることにした。まあ、何をやっても要領の悪い自分が、釣りのことは何も知らないド素人が、いきなり来て釣れたんだから十分ラッキーだったのだ。

初めて釣った小さい小さいチカは、大事に持ち帰ってフライにすることにした。

ところで、これは本当にチカなのか?
もしかしたら、自分が知らない、チカに似た毒持ちの魚で、うかつに食べると七転八倒の苦しみに遭う、なんてことはないか?

帰ってきてから、急にそんな馬鹿げた不安に襲われた僕がやることといえば、、、やっぱりネット検索。
とりあえず「チカ」で検索すると、次のページが先頭に出てきた。

http://www.zukan-bouz.com/kyuriuo/tika.html

おかげさまで、釣った3匹はやっぱりチカと確信。ワカサギとの見分け方も出ていて勉強になった。これから他の魚を釣ったときにも、この「市場魚貝類図鑑」にはお世話になるに違いない。

フライになったチカは、ビールとともに一瞬で僕の胃袋に。
涙が出るほど美味かったのは言うまでもない。

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一転ぱったり

こういうのを入れ食いというのか。
たて続けに3匹釣り上げ、心の中で「今夜はチカフライでパーティを」なんていう欲が出てきたそのとき、

「これから船が入りまーす。釣りをしている方、すみませんが移動をお願いしまーす。」

と声を出しながら走ってくる人がいる。海上保安の人らしい。
見ると、ちょうどいま自分が釣りをしている岸壁に向かって海上保安の船が入ってくる。こりゃ大変と、釣り糸を引き上げる。いつも思うが、自分はこういうとっさの対応が本当に苦手で要領が悪い。モタモタしながらバケツやらエサやら持ってやっとどうにか場所をシフトした。

大きな船が入ってきた港の水面はざんぶざんぶと波立っていた。
しばらくして接岸終了。

「ご協力ありがとうございました」

と言いながら、海上保安の人が走り去った後、よーし、さっきの続きを、と糸を垂らしてみるが、あの勢いはどこへやら。魚の姿もまったく見えなくなっていた。エサを撒いてみても、いっこうに魚が集まる気配はない。

海上保安の人と一緒にチカもこの岸壁からいなくなってしまったらしい。

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豆チカ3匹

豆チカ3匹

次の休日、アミエサを調達してから、地図に示されていたポイントの中から候補を3箇所ほど選び、車で回ってみた。家族連れで混み合っているところもあれば、いかにも凄そうな年配の方の姿が多く見られる場所もある。

どの場所でも、車から降りて岸壁から下の海面を見ると、お、いるいる。なにやら魚が泳いでいるのが見える。試しにアミを水面に撒いてみると、うぉー、魚がうようよ寄ってくる。周りを見るとあっちこっちで元気な魚を釣り上げている。よしよし、これなら期待が持てそうだ。

竿を伸ばし、バケツのイラストを見ながら仕掛けにエサをつけて、糸を垂らして待つこと15分。ぐぐん、と竿に振動が伝わった。子供の頃、父に連れられて運河でチカを釣ったときのあの感覚。何年ぶりだろう。

やった!

5~6cmくらいの可愛いチカが釣れた。ぴちぴちぴちぴち
ここからさらに連続して2匹、合計3匹のチカが僕のバケツの中に収まった。

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小樽港のポイント

しかし、港といっても、どこに行けばいいのだろう。

そもそも、諸先輩の方々が港のどのあたりで釣りをしているのか、いや、それ以前にどこで釣っていいのかということさえも「?」という無知な自分に気づく。小樽に住んでいてしょっちゅう港の横を車で通っていてこうなのだから、我ながらあきれてしまう。

安易だけれど、やっぱりまずはネットで下調べ。

今日どこで何が釣れた!という情報は、市内の釣具店「フィッシングパパ」さん
http://www.fishingpapa.co.jp/
の「港釣り情報」が詳しい。

自分のように港内のエリア名を言われてもすぐにどこだかわからない地元人失格の超ド素人にも、釣れるポイントを教えてくれる地図を掲載しているのが、市内のオモリメーカー「ホウムラ」さんのサイト。
http://www.otaru-houmura.com/

小樽港内のチカ釣りとハゼ釣りのポイントを示した地図は、まったく無知な自分には宝の地図のよう。
http://www.otaru-houmura.com/blog/%E5%B0%8F%E6%A8%BD%E6%B8%AF%E3%80%82%E...

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道具は揃った

おまけてもらったスピード仕掛

「これで大体いいんじゃないかな。あとはエサだけど、これは釣りに行く日に買えばいい。うちは朝からやっているから、行くときにでもまた寄ってみてください。」

というわけで、会計となったが、そのとき、

「これも使ってみて、サービスしとくから。エサを付けなくてもいいタイプだから、他のサビキと比べてみるのも面白いよ」

と、おまけしてもらったのが写真。
目玉付きの「魚雷オモリ」が愛らしく、なおさら嬉しかった。

「うわ、ありがとうございます!」

さあ、道具は揃った。
次の休みはいよいよ港に行って竿を出してみよう。

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チカ釣り道具その4

「エサはオキアミを使うね。エサ付け器というのがあってね・・・」

といいながら中央に溝がついたプラスチック製の器具というか容器を見せてくれた。
鮮やかな黄緑色が印象的だった。

「この中にオキアミを入れて、溝に沿ってさっきのスピード仕掛けをすべらせるようにして前後に引くわけ。そうすると針にエサがひっかかると。アミエビは小さくて柔らかいから手で付けるのはほとんど無理だよね。アミは撒き餌にも使えるし、この釣り方が一番手軽で魚も釣れると思うよ。」

なるほど、うまい方法を考えたものだ。これなら不器用な自分にもなんとかなりそうだ。

「こんなのもあるよ、バケツに付いているタイプ。これなら撒き餌を練ったり、水を入れて釣った魚を泳がせておいたり、いろいろ使える。」
「お、これはいいですね!」

ということで、買うことにしたのが写真の「スピードバケツ」。
実は、餌の付け方のイラストが描いてあるのが素人にはうれしかったのだ。

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チカ釣り道具その3

スピード仕掛け1

「仕掛けは、スピード仕掛けというやつが今は主流だね。切れたり魚に持っていかれたりすることもあるから、多めに用意していったほうがいい。とりあえず、これとこれ。」

チカなどの小物用のサビキ仕掛けをスピード仕掛けと呼ぶそうだ。先端にオモリも付いているので、釣り糸に縛り付ければすぐに使える。

子供の頃に父と運河でチカを釣ったときは、針が1つか2つだったような気がする。サシと呼ばれるエサを使っていた。ハエの幼虫だと言っていた。うじ虫?

チカ釣りでスピード仕掛けのエサは何を使うのだろう?

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チカ釣り道具その2

道糸は2号

「道糸は2号。使うのは竿の長さと同じくらいだから10mあれば十分。これね。」

と選んでもらったのが写真の釣り糸。

ちなみに、糸の号数は強度から割り出された数字で、断面積に比例する値になっているらしい。
調べてみるといちいち奥が深い。
(どんなことでもそうかもしれないけれど)

参考にさせていただいたページ:
糸の号数を科学する
http://www.otomiya.com/fishing/gear/01-line.html

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チカ釣り道具その1

静嶺360

別の休日、買い物に出かけたついでに近くの釣具店に飛び込んでみることにした。

「こんにちは」
「いらっしゃい」

見ない顔の来訪者にかすかな警戒感がうかがえる眼差しにちょっとひるんだ。

「あの、ワタシまったくの素人なんですが、チカ釣りを始めようと思いまして。まずは最低限必要なものを一式揃えたいのですが、相談にのってもらえませんか?」

希望を素直に伝えると、マトモな客と認めてもらえたようで、いろいろと親切に教えてもらうことができた。

「まず、竿だね。360くらいあればいい。これがいいんじゃないかな。」

と勧めてもらった「延べ竿」(正確には振り出し竿?)が写真の「静嶺360」。黄色い布の袋がついていて、なんとも渋くてかっこいい。「チカ釣秘伝」の沖乃宗八氏もこんな竿を使っているのだろうか。

釣具を自分で買うのは初めてだったので、なんとも新鮮でわくわくするひとときだった。

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